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ニュー・ポリシー
2024.05.01
新政策資料集大成『月刊ニュー・ポリシー』4月号

今号の資料数と注目資料

資料数
38資料(内閣2、内閣府1、警察庁1、防衛省1、総務省5、財務省1、文部科学省3、厚生労働省5、経済産業省9、国土交通省5、環境省4、日本銀行1)[当誌掲載順]

注目資料
★ 内閣 *郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見の報告について(報告)
★ 警察庁 キャッシュレス社会の安全・安心の確保に向けた検討会 報告書
★ 厚生労働省 *医道審議会医師分科会医師臨床研修部会 報告書 -医師臨床研修制度の見直しについて-
★ 経済産業省 *IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築に向けた検討会 最終とりまとめ
★ 環境省 *風力発電事業に係る環境影響評価の在り方について(一次答申)-中央環境審議会-

さらに詳しい内容をお知りになりたい方には「期間限定閲覧用ID&パスワード」を発行いたします。こちらよりお問い合わせください。 なお月刊ニュー・ポリシーのサイトでは、過去の掲載資料をデータベースとして蓄えており、年月やキーワードで検索することが可能です。

*編集部注:
「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見の報告について(報告)」
本資料は『郵政民営化法(平成17 年法律第97 号)第11 条第2項の規定に基づき、郵政民営化推進本部が、郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証の結果に基づく郵政民営化委員会の意見を報告するものである。』と定義づけられた上での報告となっています。
郵政民営化委員会とは、『郵政民営化法(平成17 年法律第97 号)第18条及び第19 条により、内閣総理大臣を本部長とする郵政民営化推進本部に設置された組織であり、3年ごとに、郵政民営化の進捗状況について総合的な検証を行い、郵政民営化推進本部長に意見を述べること』とされています。
今回の報告では、民営化後の経緯等も踏まえ令和3年度から令和5年度までのおおむね3年間に行ってきた調査審議の結果を取りまとめたものになっています。

「今後の課題と期待」として、日本郵政グループ、郵便局ネットワーク、日本郵便(郵便・物流事業、郵便局窓口事業)、ゆうちょ銀行(銀行業)、かんぽ生命保険(生命保険業)に対して、まとめられた箇所を以下に挙げます。

    〇日本郵政グループ
    『日本郵政グループは、かんぽ生命保険の不適正募集事案以降、一定の改善措置を講じているが、顧客本位の適切な業務運営は、日本郵政グループの持続的な成長の観点からも不可欠であり、引き続き、日本郵政が日本郵政グループの司令塔として、顧客の信頼を回復するため一層のグループガバナンス及びグループコンプライアンスの強化を進めていくことが重要である。その上で、グループの司令塔として、具体的な成長戦略を一層明らかにしていくことが求められる。
    さらに、日本郵政グループが持つ強みである郵便局ネットワークを最大限いかす観点からも、法律により設立された特殊法人としての公的性格と経済合理性にかなう経営の展開が期待される民間企業としての両側面のバランスを確保しつつ、「共創プラットフォーム」による取組を着実に推進していくことが重要である。
    また、日本郵政は、金融二社の株式について、その全部を処分することを目指し、金融二社の経営状況やユニバーサルサービスの責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に、処分するものとするとされており、金融二社との資本関係が希薄化していくことが想定される中で、日本郵政及び日本郵便と金融二社が緊密に連携し、郵便局ネットワーク及び郵便局ブランドをどのように活用していくのか、具体的に検討し取り組むことが必要である。さらに、全部処分後の金融ユニバーサルサービスの確保のため、将来、日本郵政及び日本郵便と資本関係のない企業との間の受委託関係を長期安定的に担保する実効性ある方策の検討が求められる。また、金融二社の株式の売却収入をいかにして日本郵政グループの今後の成長にいかしていくのか、及びデジタル化の進展や人口減少等の社会経済環境の変化を踏まえて具体的にどのようなビジネスモデルを描いていくのか、について明らかにすることを期待する。
    以上のような取組に当たって、日本郵政を始めとするグループ各社の経営トップにおいては、経営に対する重責を改めて強く認識し、強いリーダーシップを発揮することを期待する。
    さらに、日本郵政グループは、グループの持続的な成長に資するよう、経営戦略に即した人材の育成や確保に努めることが重要である。』

    〇郵便局ネットワーク
    『郵便局が担うユニバーサルサービスの責務は人々の生活を支えるものであるため、今後も郵便局ネットワークを通じたユニバーサルサービスの確保が必要である。
    郵便局ネットワークは日本郵政グループが持つ最大の強みであり、郵便、貯金及び保険に関するユニバーサルサービスを提供する拠点であるとともに、住民サービスの拠点としての役割も期待されており、特に人口減少や金融機関の撤退などが進んでいる地域において、その重要性は高まっている。
    日本郵便は、郵便局の設置について、いずれの市町村においても1以上設置すること、過疎地における郵便局ネットワークの水準を維持すること等とされており、郵便、貯金及び保険に関するサービスを更に充実・強化して収益を確保するとともに、地方公共団体の窓口事務の受託、他企業との連携等により、その付加価値の向上に努めることを期待する。
    また、社会のデジタル化が進展し、今後、オンラインによるサービス提供の増加が見込まれる中で、郵便局には住民に寄り添いながらサービスを提供するリアルの拠点としての役割も期待する。
    さらに、今後、日本郵政と金融二社の資本関係が希薄化していくことが想定される中で、日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の緊密な連携を実現するためには、郵便局ネットワークが金融二社にとって魅力ある存在であることが前提となる。こうした観点から、DXの推進や郵便局のブランド価値の向上等について、グループ一体での真摯な取組を期待する。』

    〇日本郵便(郵便・物流事業、郵便局窓口事業)
    『日本郵便全体の連結ベースの経常利益は直近では減益傾向にあり、厳しい経営環境にある。収益力の向上のためには、競争力のある質の高いサービスの提供を目指すとともに、DXや他企業との連携を活用した生産性や付加価値の向上を図ることが重要である。
    日本郵便は、まずは顧客ニーズを第一とし、郵政事業の公的な役割も踏まえつつ、我が国全体が「コストカット型経済」から脱却し、持続的な賃上げや活発な投資がけん引する「成長型経済」への変革を目指している中で、賃上げや委託事業者への適切な価格転嫁といった取組を継続しつつ、利便性や付加価値の高いサービスの開発及び提供に取り組む必要がある。そのためには、市場動向を踏まえつつ、抜本的なDXに取り組み、経営資源の戦略的な投下、これまでの取組やビジネスにとらわれない新たな需要の掘り起こしなど、より一層の収益力の向上を図ることが必要である。
    郵便物数の減少傾向は今後も続くと見込まれる中、日本郵便の事業の柱として物流事業の強化に取り組むことが一層重要である。
    日本郵便が提供するサービスは、データ活用による効率化と付加価値向上が期待される分野であることから、更なるDXの推進やリスキリングなど社員のデジタルスキルを向上させる人材育成の取組に期待する。
    また、郵便局で提供するサービスについては、利用者のニーズに応じた商品や提供方法を拡充するなど、利用者の利便性の向上を図りつつ収益力を向上させ、引き続き、ユニバーサルサービスを安定的に提供することが求められる。
    さらに、郵便料金の見直しの際には、説明を尽くして利用者の納得性を高めることが重要であり、併せて利用者の利便の向上に配慮したサービス提供についても柔軟に取り組むことを期待する。
    その上で、郵便事業のより安定的な提供を将来にわたって確保する観点から、必要に応じて制度の見直しも含めた検討が求められる。』

    〇ゆうちょ銀行(銀行業)
    『ゆうちょ銀行の収益の大部分を占める運用収益の確保の観点から、資産運用の多様化とそれに関するリスク管理の高度化を進めるとともに、金融市場環境の影響を受けにくいビジネスによる収益拡大とコスト削減により、収益力を向上させ、経営基盤の強化を図ることを期待する。
    また、日本郵政によるゆうちょ銀行の株式売却により、日本郵政との資本関係が希薄化していくことが想定される中で、今後、ゆうちょ銀行として日本郵政及び日本郵便とどのように連携していくのかが課題と考えられるため、課題解決に向けた取組を期待する。』

    〇かんぽ生命保険(生命保険業)
    『かんぽ生命保険は、令和5年度に設定した営業計画と足下の進捗状況の差異を分析した上で、営業の正常化に向けた対応が喫緊の課題と考えられる。その際、二度と不適正募集事案が発生することがないよう再発防止に向けた取組を徹底し、有効な改善措置の定着を図っていくなど、募集品質の確保のための日本郵政グループを挙げた不断の取組が必要である。
    また、かんぽ生命保険は、貯蓄性保険へのニーズ低下や第三分野等の保障性保険へのニーズ拡大を踏まえた商品開発等、生命保険業界の動向や顧客ニーズの変化に対応した第三分野等の商品やサービスを充実するとともに、国際事業の展開、介護やヘルスケア事業等の保険関連事業の展開、業務提携等による収益源の多様化に向けた取組を期待する。
    さらに、日本郵政によるかんぽ生命保険の株式処分により、日本郵政との資本関係が希薄化していくことが想定される中で、かんぽ生命保険は、将来、経営の自由度が向上することを踏まえ、どのような経営戦略を進めていくのか、また、今後、郵便局ネットワークを活用した商品開発や営業戦略等、日本郵政及び日本郵便とどのように連携していくのかが課題と考えられるため、課題解決に向けた取組を期待する。』

[出典]本資料「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見の報告について(報告)」

〇編集部より
岸田総理の外国訪問一覧
5月に入って直ぐに岸田総理は外国への訪問を行ないました。その訪問国であるブラジルとパラグアイは、総理就任以降、初めての南米の訪問先となり、またそこでは、日本の総理としては10年ぶりとなる対中南米政策スピーチが行われました。
岸田総理がこれまでに訪問した外国ついて、以下にまとめてみました。

【2024(令和6)年】
・5月1日~4日 フランス、ブラジル、パラグアイ(ブラジル、パラグアイ;ビジネスフォーラム)
・4月8日~14日 米国(公式訪問)
【2023(令和5)年】
・11月30日~12月3日 アラブ首長国連邦(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)
・11月15日~19日 米国(米国APEC首脳会議)
・11月3日~15日 フィリピン、マレーシア
・9月19日~22日 米国(第78回国連総会出席)
・9月5日~11日 インドネシア(2023ASEAN関連首脳会議)、インド(G20ニューデリー・サミット)
・8月17日~19日 米国(日米韓首脳会合)
・7月16日~19日 サウジアラビア王国、アラブ首長国連邦、カタール国
・7月11日~7月14日 NATO首脳会合及び日EU定期首脳協議出席
・5月7日~8日 韓国
・4月29日~5月5日 エジプト、ガーナ、ケニア、モザンビーク、シンガポール
・3月21日~23日 ウクライナ、ポーランド
・3月19日~21日 インド
・1月9日~15日 フランス、イタリア、英国、カナダ、米国
【2022(令和4)年】
・11月12日~19日 カンボジア(2022ASEAN関連首脳会議)、インドネシア(G20バリ・サミット)、タイ(APEC首脳会議)
・10月21日~23日 オーストラリア
・9月20日~23日 米国(第77回国連総会)
・7月31日~8月2日 米国(核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議)
・6月26日~30日 ドイツ(G7エルマウ・サミット)、スペイン(NATO首脳会合)
・6月10日~11日 シンガポール
・4月29日~5月6日 インドネシア、ベトナム、タイ、イタリア、バチカン、英国
・3月23日~25日 ベルギー(G7首脳会合)
・3月19日~21日 インド、カンボジア
【2021(令和3)年】
・11月2日~3日 英国(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議

2023年に比べると、2024年の外国訪問はそこまで活発ではないようですが、これは国内における課題が関係しているところなのでしょうか。4月28日に行われた衆院補欠選挙では、2つの不戦敗を含め全敗になり、衆議院の解散総選挙の話題も出ています。外交面の政策として、今後訪問数が伸びてくるような状況になってくるのでしょうか。これからの動きに要注目です。

[参考]外務省HP「総理大臣の外国訪問一覧